自分の心身の状態を把握することの大切さ

 私がたんとすまいるの加害更生プログラムで学んだことに

"今、この瞬間の自分の状態を知る"というものがあります。

 

 プログラムではグループに参加する際、まず最初に自分の心のスケールを10段階表現でどれくらいの位置にあるのかを申告します。

この心のスケール(10段階)とはどのようなものかというと、

例えば春になり満開の桜を見て美しいと感じたりするとウキウキした気持ちになり数値は高くなるでしょう。ある日は、風邪をひいてしまい身体がダルいと感じ数値は低くなってしまうかもしれません。

 

 私たちが選択する行動は、その時々の心の状態に大きく影響を受けてしまいやすいものだと思います。心のスケールが高いときには、少々の不快な出来事があってもスルーできるでしょう。でも、逆に低いときは些細なことでも傷つき落ち込んでしまったり、時には怒りを感じたりする場合もあると思います。

 

 私はグループに参加する以前は、これらの自分の心の状態を知ることが、自分の行動を選択するうえでいかに大切かという視点を持ち合わせていませんでした。グループで繰り返すことで次第に習慣となって、今では毎朝一日の始まりに手帳へ心のスケールを記入しています。そうすることで心のスケールが低い朝は、通勤電車の遅延があったときイライラしたら「あぁ、今朝は寝不足でイラついているから怒りの感情が出やすくなってるな。」などと気づくことができて、自分が選択する行動に反映することが可能になります。「チェッ」と周囲の人が不快に感じるような舌打ちをするのではなく、目を閉じて少しでも寝不足を補う努力をしたりすることもできるようになります。

 

 また、グループでは仲間の心のスケールを知ることで、その人のその日の言動が受け入れやすくなると私自身は感じています。プライベートなことで落ち込んでいる仲間の発言には、寄り添うような気持ちで耳を傾け共感できるように努めています。良いことがあって嬉しそうに話してくれる仲間の発言では、共に喜びを分かち合うことができます。

 

自分の心身の状態を把握することで、自身が刻々と感じている喜び、悲しみや怒りなどの大元は自分の心の中にある。このことを私は加害更生プログラムに参加して気づくことができました。この心のスケール10段階をグループでは小数点を用いて20段階、100段階で表現できる仲間たちもいます。私も自分の心の状態をより細やかに見ることができるように学びを深めてゆきたいと思っています。