自分の思考癖を変えるためには

私は自分がパートナーと子どもたちに暴力を振るっていると自覚して

加害更生プログラムに参加してから心がけていることがあります。

それはプログラムへの取り組みを最優先にした生活をすることです。

グループに休まず参加するため病気やケガをしないように体調管理したり、

仕事を調整したり、参加費用を確保するための金銭管理をするなど、

周囲の人たちの理解と助けを得ながら月末に翌月の生活計画をたてて実行しています。

 

実は正直なところグループに参加した当初は、

家庭をメチャクチャな状態にしてしまった自分の言動を何とか改善したい

と思っていたにも関わらず、

心のなかにはパートナーに許してもらえるという甘えを依然として持っていたので、

何とかなるだろうと事態を楽観視する気持ちがありました。

 

また、これまで自分が学校や仕事などで知識と技術を学んできたことと同じように、

更生プログラムに参加さえすれば自然と暴力的な思考や言動をしなくなるのだ

という考えも持っていました。

 

自分が暴力を手放すのではなく自然としなくなることができると捉えていたのです。

藁にもすがる思いで参加した当初の危機感が自分の甘い考えのもとに薄れてしまっていたのです。

このような取り組みかただったのでプログラムに参加していても

当然自分の言動をなかなか変えることができずに

パートナーや子どもたちとの距離は離れていく一方でした。

 

そのような私の状況を見てグループの仲間たちは

"危機感がないように見えますよ" とか

"パートナーの優しさや大切さに気づいてください"

と再三にわたりアドバイスをしてくれました。

 

みんなに励ましてもらい一緒に根気よくグループで学び続けることで、

少しずつ相手ではなく自分の内面に目を向けることができるようになってきました。

 

そのようになってきて初めて本当の意味で

自分が暴力を振るっているという自覚を持てたような気がしました。

この感覚がきっかけとなり、

ことの重大さや自分の思考と言動を変えることの難しさを痛感したことで、

私はグループ参加と日々の取り組みを最優先にした生活を心がけるようにしているのです。