被害者意識を持ち続けるメリットについて

私は加害更生プログラムに参加するまでは、

自分もパートナーから攻撃されている被害者だという思いを少なからず持っていました。

 

パートナーの要求が多すぎるとか、

言われたことをやってもダメ出しされるとか、

いくら頑張っても認めてもらえず人格まで否定されるなどと感じていました。

 

しかし、これらはすべて自分がパートナーにしていたDVの裏返しだった

ということをこれまでの学びで気づくことができました。

自分が感じていた被害者意識をひっくり返して考えてみたとき、

ことごとくパートナーにしていた言動と同じだということに気づいたのです。

 

パートナーに多くを要求していなかったか?

パートナーがやったことにダメ出ししていなかったか?

家事と育児に奮闘しているパートナーの頑張りを認めていたか?

パートナーの人格を否定するような発言をしていなかったか?

 

と自分に問いかけてみると答えはすべて"否"でした。

 

では何の目的があって自分が被害者意識を持っているのかと考えると、

私はDVを正当化するために自分も被害者であり続けようとしていたということに思いが至りました。

 

私の理屈はこうです。

僕が悪い、でも相手にも悪いところがある。

 

確かに僕はダメ出しばかりしていた、

でもそれは相手が僕にダメ出ししてくるから。

 

人格否定する発言をして本当に悪いと思っている、

でも僕だって責められ続けたら自分を守るために必死だった。

 

というような考え方です。

 

このように考えることで、

だから自分は相手に対して自己主張する権利があり、

その権利には正当性もあると信じることができていました。

 

これは幼児が自分の怒りと攻撃を正当化するたの言い訳

「だって〇〇くんが先に僕の悪口を言った」

というのと同じ理屈でした。

 

もし自分の子どもが同じことを言ったら、

私は親として子どもが自分の行動を考えるきっかとなるような言葉を選び

「そっかお友だちに悪口言われて嫌だったんだね。じゃあ〇〇くんは今どんな気持ちかなぁ」

と伝えるかと思います。

 

今、私はこの言葉を自分自身にかけて自分の行動を問いかけるきっかけとしています。

 

自分が被害者意識を持ち続けるということは

暴力の正当化をし続けるという意味になるのではないかと

今回の気づきについて考えて思いました。

 

この気づきにより、

自分が加害行為を選択する口実となりうる被害者意識(を持つという思考癖)を

過去のことも含めてこれからも手放していきたいと思っています。