このブログを見ている皆様の大切なものは何でしょうか?
お金、車、株、土地、時間、自由、権力、愛…と物質的なものから概念的なものまで人によって異なるでしょう。
そしてどのようなものを大切にしているかはその人の自由であり、他者の上質世界にあるものを他者が一方的に否定することはしてはいけないのです。
ちなみに私の大切なものは「幸せで過ごす家族を想像する自分」です。
何だそれ?と思われるかもしれませんが、このことを意識することで私は生きていく励みになっています。
料理が上手で明るく優しく子供達に頼れる笑顔が魅力のパートナー。
いつも騒がしいけど楽しませてくれて、日々成長していく中で私を頼ってくれる子供達。
この家族が笑顔でいてくれるのを私の上質世界にある限り、自分が家族にDV行為をしたことに対する責任を投げ出すことはしないと心の中心に置いています。
このブログを執筆しているのは私が家を出ることで別居して二日目になります。
慌ただしい毎日で不思議な事に、部屋のレイアウトや料理の味は以前の家とほとんど一緒になりました。つまり勝手知ったる家の家具等の配置、毎日口にして度々料理の味付けを教えてもらった味に近くなったと言うことです。それだけ家族といた時間が私に影響していたとまさに今感じています。
私はたんとすまいるに参加して3ヶ月と日が浅いのですが、たんとすまいるを知ったのはパートナーから「DV加害者が更生するプログラムがあるから、もしこのままではいけないと思うなら考えて」と教えてもらったのがきっかけでした。
当時の私はDV加害者の更生プログラムがあることも知りませんでしたし、正直何でそんなと所に行かなければならないのか納得できませんでした。
パートナーの要望に答えるように家庭優先で家事育児をしているのに何でそんなこと言われるのか? 自分の時間を潰してでも子供達の面倒を見て疲れているのにイライラさせるのは子供達のせいだ! とむしろ私が被害者だと思っていたからです。
しかしパートナーの「もう出て行ってほしい」との言葉に、これは本気だと感じて自暴自棄になり私も「いつでも出て行ってやるよ! こんな家!」と啖呵を切りましたが、娘から「出て行かないで!」と泣きながら言われたときに、変わらなければいけないのは自分なのでは? とたんとすまいるの門を叩きました。
正直に言いますと自分を変えたいと思いもありましたが、離婚したくないから何かアクションを起こせばパートナーの気も変わるだろうとの考えもありました。
ところがプログラムに参加することでDV行為の種類、DV加害者特有の考えを知ること、そして「怒り」とは怒ることを考える「思考」と怒ることを表現する「行為」であり、思考と行為を意識すれば怒りが率先することがなく対等な立場を築きやすいと論理的な内容なので、はっきりと自分がDV加害者であることと同時に家族の笑顔を消したのは自分であることを認識しました。
それから何度かプログラムに参加することで様々な方々と出会い、様々な考えやアドバイスを頂きました。同じ境遇の方々なので共感できるのはもちろん、多角的なアドバイスを頂き私の中で自分中心の意識から家族が幸せでいられることを優先する気持ちが強くなりました。
以前の私なら別居することなど人生の終了だと考えて、とてもパートナーを癒すために離れようと前向きに捉えることは絶対できませんでしたが、見栄や外聞も捨てて正直に学ぶことが更生への一歩であること、自分自身を肯定することをたった3ヶ月間での学びでも心に届くものがあり私の生きる指針となりました。
今はこの別居がパートナーひいては家族の笑顔のためになると考えられるようになりましたが、ほんの少し周りが静かで物足りなくなることもあります。
パートナーとは事務的な会話しかできなかった状態なので、私がどのような学びをしているか知りませんし今も知らないはずです。ですがあえて私からどのような学びをしたかを言うこともしませんでしたし、私はそれで良いと思っています。
なぜならば学んでいる事をアピールしていると思われる心配もありましたし、何よりも自分自身を向上させて家族はもちろん他者にも平和な心で接することができる人間になりたいと意識が変わってきたからです。
これから家族とどのような関係になるかは分かりません。だけど「幸せで過ごす家族を想像する自分」が私の上質世界にある限り前に進めると信じています。
皆様の大切なものは何ですか?
今も私の中ではパートナーと子供達が笑顔です。
写真は小学三年生の長男が一枚の折り紙で折ったサソリです。
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