過去を受け入れて今を生きる

「たんとすまいる」に参加して、1年になります。

過去に私が家族に対して行った悪しき行為と向き合い、それを受け入れることがようやくできたと実感しています。とくに、本プログラムで「選択理論」を学だんことは、私の人生の大きな転機となりました。自分を見つめ直し、自分の上質世界(自分の望むこと)に向けて、今を生きることに喜びを感じ始めています。

 

1年前、私はパートナーである妻に暴力をふるいケガをさせてしまいました。以後、いわゆる家庭内別居の生活が現在まで続いています(妻とはLineで対話し、直接接触していません)。

その日は、仕事を終えて帰宅したときに1歳になる子犬(ビションフリーゼ)が玄関で私に飛びついてきて、突然オシッコをしました。私が自分のスーツが汚れたのではないかと慌てているのに妻は無視して、玄関の掃除をはじめました。夜も遅く、心身の疲労もピーク。しかもちょうど仕事で行き詰まっており(昇格できなかったショックもあり)、私は、瞬間的に怒りにかられて妻を2度も足蹴にしてしまいました。

翌日、妻から蹴られて転んだときに手首を骨折したと告げられました。私は、自分が犯罪行為をしたという事実をすぐには認められませんでした。あろうことか、妻のほうが悪いと言い張り、しばらく会話もしませんでした。

しばらくして、妻から傷害事件として警察に届けることも辞さないと通告されました。示談のために慰謝料も支払うことになり、ことの重大さを認識しました。妻のケガは思いのほか重症で完治に2か月以上かかると聞いて、大変申し訳なく、自分の犯してしまった結果に愕然としました。示談の条件として、DV更生プログラムの参加も上げられました。

 

「選択理論」では、自分の犯した暴力行為はすべて「自身が選択したこと」とされます。実際に私は、軽く蹴って、妻を力で支配しようとしていたのだとわかりました。そして、これまでの結婚生活、子育てにおいても私は数々の暴言や暴力を家族に対して無意識に選択して振るっていたことに気が付きました。また、そうした暴力行為を引き起こす要因となる自身の内面、トラウマや育った環境についても分析し、多くの気づきを得ました。仲間たちと互いの体験を分かち合うことでさらに学びが深まり、自分も変わることができると勇気をもらいました。

もっと早くから学んでいたら、周囲とさらによい関係が築けたかもしれません。過去は変えられませんが、自分の行動と将来はいつでも変えられます(自身の感情や欲求を理解し、思考や行動をコントロールする)。過去をすべて受け入れて、今から、正しい選択をすることで、幸福な人生に向けて再出発したいと思います。

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