心のスケール

たんとすまいるでは、入室時に「心のスケール」といって心の状態を10点満点で評価して発表しています。最近、自分の心の状態を観察すること、自分の心と向き合うことの大切さを感じたことがありました。

 

 私は、たんとに通い始めたとほぼ同時に離婚して、最近1年が経ったところです。結婚生活をしているときは、元パートナーから「自分の機嫌くらい自分でとって」と何回も言われてきました。仕事や出掛けた先で嫌なことがあれば家に持ち帰り不機嫌を撒き散らしていたのです。自分の機嫌を自分で取ることは、ずっと自分が出来なかったことでした。

 

以前、私は、嫌なことがあって生じたネガティブな感情をいつまでも引きずっていました。一方で、ネガティブ感情は、自分から消さなきゃいけない、吐き出さなければいけないとも考えていました。でも、それが大きかったりすると、何をやっても消えない、不安感や焦燥感が膨れて自分じゃどうしようもできなくなって、それを上書きできるような嬉しいこと、楽しいこと、刺激、快感を求めて、元パートナーにぶつけていました。

 

大変勝手な話ですが、離婚した当初、ネガティブな気持ちが、起きてから寝るまで常に湧き上がってきました。が、それをぶつけてきたパートナーはもういなく、私はそこでようやく、自分でネガティブな感情と向き合い始め、たんとすまいるで学び、自分の感情を観察するようになりました。

 

1年たって感じる事ですが、かつて感じてた不安感、焦燥感はそれほど感じなくなり、悲しいとか寂しいがあるから幸せを感じることができると、自然に思えるようになったと感じます。悲しい寂しいと感じる自分が、自然体と思うのです。また、最近は、自分の心の状態を観察してみると「悲しいけど、幸せ」とか、「寂しいけど、充実してる」という状態だなと、ふと思うことがあります。うまく表現できませんが、異なる感情が同時に成立して、どちらも取り出せるようになっているように思うのです。

 

当然、今でも生活していて嫌なことは起きネガティブな感情は起きますが、それでも、湧き上がった90%の嫌な気持ちに対して、10%のポジティブな感情を見つけて、その感情にも目を配る、といった感覚を得ることができます。そうすることでネガティブな感情に支配されない、ということに気づきました。(たまに「あ、嫌な気持ちほぼ100%だ」と感じることもありますが、そうした時は、やはり人から離れて自分で機嫌を取る方法を考えるようにしています。)この感覚に触れて、「ああ、みんなはこういうことが普通にやってるんだな」と、これまで自分がうまく出来なかったことがすっと理解できたとともに、情けなさを感じたところです。

 

そもそも、どんな強いネガティブな気持ちがあっても、パートナーに不機嫌をぶつけることは間違っていることで、それは自分の加害者性という元来の問題です。ですが、「自分の機嫌を自分でとる」というずっと出来なかったことに対して、最近になってやっと解決の手がかりが掴めたように思います。これからも、いろんな状況で、自分の心の状態を確認することを続けたいと思います。

 

(写真は、旅行に行ったときに撮ったものです。)

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