『自分を知るということ』

たんとすまいるの加害更生プログラムに参加して1年2か月が経過した。

 

継続は力なり・・・。

 

休まずに毎週のグループセッションに参加できたことに、先ずは自分自身に対して大きな感慨(満足)を抱いている。

 

これも一重に主宰者(ファシリテーター)とグループの仲間のお陰だと深く感謝している。

 

今では、グループセッションにおける仲間たちとの対話が更生に大変有効であると強く実感する。

 

この機会にこれまで自分自身が提出したものを見直してみた。

 

毎回(毎週)のプログラムの「振り返り」や毎月の「課題」のレポートは随分たまってきた。

 

両手の数を超える課題図書とともに大学ノートの参加記録も3冊目となった。

 

1年前には気付かなかったこと、自分自身の思考と行為の変化がこのなかに込められている。

 

自身がなぜDVを起こしてしまったのか?

 

その答えはすべて自分自身のなかにある。

先ずは、真の自分を知ることがスタートだ。

同じような体験・過ちを犯してしまった仲間との対話は、すべて自身に振り返ってくる。

 

「私も同じだ」そう心のなかで感じるたびに、仲間の言葉のなかから自分の姿を発見した。ただし、その気づきはとても刹那的で曖昧なものである。

頭で理解したつもりでも、過去の人生経験、これまでの価値観によって、すぐに自己中心的な感情のなかに埋もれてしまいそうになる。

 

主宰者との定期面談をした際にも、更生の成果を早く出そうと焦る自身の気持ちと裏腹に「DV被害者の心の回復には時間がかかかる」と何度も説明を受けた。

 

 

 

継続は力なり・・・。

 

真の更生には、まだ道半ばである。

 

自分の至らなさがようやく見えてきた。

 

常に権威主義的に自己を正当化しようとする自分の姿が目の前の鏡に映っている。

 

5月の子どもの日、同居しながらも良い関係ができていなかった妻や子どもたちに対して、あらためて過去の自分の加害行為に対するお詫びの手紙(メール)を送ることができた。直接的な返事はもらっていないが、妻を通じて子どもたちが受け取ってくれたことは確認できた。

 

少しずつ、対等な立場で家族と会話をすることができるようになったと感じるこの頃。

自分自身を知ることで、初めて自分と家族をとりまく世界に新たな扉が開いた。

 

この自分自身の変化を、今は大切にしたい。

 

                                       3-17