「自分は逆戻りしているのか」 本プログラムに昨秋参加し始めて以来、グループでの振り返りなどで何度も耳にし、私も口にしてきた言葉です。
自らのDVが原因で始まった家族との別居をきっかけに、「変わりたい」との思いから、本プログラムに参加しました。その後、多くの友人・知人の支援、何よりもパートナーのおかげで、同居生活を再開してからも、プログラムでの学びも活かし、家族が安心して楽しい生活を送れることを最大目標に、変化への努力を続けています。一方、それは、冒頭のように、「少し変われたと思ったら、また逆戻りじゃないか」と、変わることがいかに難しいかを痛切に感じる日々でもあります。
しかし、たんとすまいるでの大きな学びの一つは、「逆戻り」もまた自らの意志ある選択だということです。相手の言動や外部環境に強制されて逆戻りの言動をしているわけではなく、毎回毎回、「自分自身が選んでいる」ということです。
仮に家の中でムカッとする感情を持ったとします。感情自体は100%なくすことはできないとしても、表情や態度に出したり、口に出したりするのは完全に自らの選択であり、習慣です。例えば、仕事でお客様を前にどう振る舞うかを想像すれば、基本は自分の意志で選択できるわけです。一方、特に家庭内、パートナーに対しては、相手の気持ちではなく自分の気持ちを優先し、価値観を押し付け、責任転嫁して言葉の暴力で自分の正しさを「証明」しようするなどの言動を、至極当然のことのように行い、パートナーを深く傷つけてきました。
本プログラムへの参加を通じて、自らの誤りや歪み、そしてパートナーへは一生償いきれない傷を与えてしまったのだと認識しました。そして、相手の気持ちに寄り添い、優しくすることを最優先に生きようとしていますが、ふとした時に負の気持ちはもたげます。そして、「自分は本当に変わっているのだろうか、逆戻りしているのではないか」と不安になります。
ただ、進むべき道は明らかです。本日、同居再開後初めて、パートナー在宅時の夜、娘が自分と二人で寝てくれました。娘のやさしい寝息を聞きながら、逆戻りの不安に身をゆだねるのではなく、変わり続けるという選択を意志を持って行い続けること、その積み重ねの先にしか、家族としても、個人としての幸せもこないことを強く認識しました。これからも、たんとの仲間と一緒に変化へのステップを歩み続けていければと思います。
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