2022年12月12日、私は初めて入院した。
かなり弱気になっていた入院当初、医師、看護師に依存したい、そういう気持ちがどこかにあった。
理由は、医師、看護師の仕事は患者を治すことが仕事で、私は治してもらう患者と思っていたからだ。
この気持ちを持ち続けていたら、うまくいくものもいかなかったであろう。
ある夜勤の看護師の方が私に言った。
「どんなことでも何でも遠慮なさらず言ってくださいね、私は夜中もギラギラ起きてますからね!」
患者にとってこの上なくありがたい言葉である。本当に嬉しかった。包まれる安心感の中、もう一つのことに気づいたのである。
この言葉が言っているのは、「出来ないことは何でも遠慮なく言ってください」という事であり、
決して出来ることをお願いするのではないということだ。
今の自分が出来ること、出来ないことをしっかり認識して、
お手伝いが必要なことであれば、それをきちんとお願いすることである。
出来ることは自分で行う。
出来ないのに無理をすると、自分以外の人に迷惑がかかってしまう。
要するに依存するのではなく自立するのだ。
入院、手術、治療を進める中で、
今回の経験をマイナスに捉えずに、プラスの出来事にしないといけないと思うようになった。
『運転者』で学んだ、プラス思考の考え方である。
退院後は以前より精神的にも肉体的にも成長したいと強く思った。
そのために感じたことを書き記し、自分自身の振り返りにつなげようと考えた。
私は、医師、看護師の心得なるものがあると考えていた。
それも、患者はお世話をしてもらうのが当たり前である、という視点で。。。
しかしそうではないのだ。
患者の私にとって最も重要なのは、医者の心得、看護師の心得ではなく、「患者の心得」である。
私が考えた「患者の心得」は、
①まずは、病は自分のことであることを認識すること。
②日々、自分の体の状態を観察し、把握し、医師と看護師に伝えること。
③そのうえで、出来ることは自分で行い、出来ないことはお手伝いをお願いすること。
④そして、待っていてくれている人(家族、たんとの皆さん)がいるということを忘れないこと。
いたってシンプルである。
医師と看護師と患者は、あくまでも対等である。
そして、三位一体となって協働して病に立ち向かうのである。
「患者の心得」があると、
医師、看護師の負担が減るのはもちろんのこと、
患者の前向きな愚直な行動で、病の改善率も飛躍的に上がることを確信した。
そして「患者の心得」を持ったうえで、入院時に感じた気づきは、
①出来ないことがとても多いことに気づき、これまでいかに恵まれていたか分かった。
②体の色々な機能、筋肉を感じることで、自分の体のすべての部位に感謝できた。
③家族が、写真や、かわいいピンク色のコアラの「手作りお守り」をくれたり、荷物届けをしてくれたり、
メール、電話で近況を報告してくれたことで、家族のありがたさを身をもって感じることができた。
④医師、看護師、病院関係者(食事、掃除、着替えの運搬等)の皆さんの責任の重さ、大変さを痛感できた。
⑤あれ!これって、たんとすまいるで学んでいることだ!と気づけた。
「患者の心得」があったおかげで、⑤につながった。よかった。。。
今回の手術の経験は、もう一度自分を見つめ直す良い機会になった。
そして、手術前以上に精神的にも肉体的にも進化したいと思った。
ちなみに退院直前には、院内を10km歩くことが出来る様になった。
この経験をその後の人生に活かさないことは、あまりにももったいないと感じた。
病が治り、自由がきくようになると、この気づきを忘れてしまう恐れがあるので、
書き留めることで、読み返しができるようにした。
最後に、
この度は、医師、看護師、病院関係者の皆さん、待っていてくれた家族、たんとの皆さん、
本当にありがとうございました。
皆さんのおかげで手術が成功し、無事に退院することが出来ました。
更なる自己成長を図るべく精進してまいります。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。