今年の僕は変わることができただろうか

毎年、銀杏並木が黄金色に変わる今の季節、1年を振り返る習慣がついてきた。

 

 僕がたんとすまいるに通うようになってから、4度目の秋。

 

 最初の年は、変化へのステップその1「現在と過去のパートナーに対して精神的、性的、そして身体的などの暴力を振るってきたことを全部認めること」の真意もわかっていなかった。妻に対して暴力を振るった自覚があるから更生プログラムにきているのに今更なにを、という感じだった。

 

 2年目の秋には、自分は確かに暴力を振るってきたけれど、それは妻にも問題があったから。僕が何をしても、何を言っても否定して文句ばかり言い続ける妻も悪い。でも、自分がしてきたことは悪いことだから二度と暴力を振るわないようにしよう、と考えていた。

 

 昨年の秋には、そういうことじゃない、誰が何をしようが何を言おうが暴力は絶対にいけないことなんだ、ということが理解できてきた。そして、これまで自分が妻を傷つけてきたことはすべてが事実で、取り返しがつかないことをしてしまったと思った。

 僕が見ている世界は歪んでいた。

 これまで妻を傷つけてきた言葉のひとつひとつ、妻を傷つけてきた行動のひとつひとつを思い返して、すべては僕が自分自身の内面に抱え込んでいる問題が引き起こしたことだと気づいた。

 僕が他人に対して攻撃的な反応を示すのは、誰かのせいではなく、自分自身の満たされない想いが引き起こしていること。そして、暴力を振るった責任は自分自身にあることがわかった。

 

 そして、今年・・・・

 

 僕が自覚した暴力は、あくまでも自分が気づいたことだけであることに気づいた。

 

 僕が思うよりもずっと妻は傷ついているのだと思う。何年も、何年も、辛くて苦しくて寂しい思いをしてきたのだと思う。

 人間不信に陥らせてしまったかもしれないと思う。

 もし、過去に戻れるのならば、やり直したい。

 でも、過去にはもう戻れない。

 

 これからは、自分が引き起こした結果の責任をとることが僕にできることだと思う。

 

 来年も妻と子どもが安心して生活できるように、僕は更生プログラムで学び続ける。

                                                                                                                                               4-14