先日たんとすまいる説明会で、体験談をお話させていただきました。
その中で、私がパートナーにDVをしていた時に、パートナーに対する決めつけがひどすぎた話をしました。社会人として最低限のマナーができていない人、頭が悪い人、学習能力がない人、不器用な人、ダメな女等、今考えただけでもひどい決めつけをしていたなとは思います。
そして、なぜそんな自分がパートナーの決めつけがひどすぎたのか?というと、実は自分もいろんな人から決めつけられていました。不器用な人、出来が悪い人、頭が悪い人、世間から笑われる人、未熟な人、成長が遅い人、努力しないと見捨てられる人など、両親、友人、教師たちから様々な決めつけをされてきました。
数年前に、大学時代の友人に会った際に、色々コミュニ―ションをする中で、友人の何人かに、「お前はこんなやつ」みたいな言われ方をして、内心腹立たしい思いをしたことを思い出しました。しかも飲み会の会場に遅れて参加して、早々にそんな言われ方をしたので、気分が悪かったことを覚えています。その時は、「久々に会ったのに不愉快な表情や態度を取って場を乱すのもどうか?」という思いもあり、静かにはしていましたが、あまり居心地がよくなかったことを覚えています。
また、最近はこんなことがありました。
パートナーと旅行の計画をしていたのですが、旅行会社から「確認したいことがある」と電話があり、何だろう?と思い折り返しの電話をしたところ、6~7年前にこの旅行会社を通じてツアーを組んだ際、宿泊したホテルから、私たちが宿泊した客室からゴミがたくさん出て臭いもついていたと連絡があったとのこと。パートナーは持病を持っているため、持病でゴミがある程度出てしまうことやしかしそれが臭いに直結しているか分からないことを旅行会社に伝えました。
そのやり取りをパートナーに伝えたところ、「旅行する気が萎える」と言ってかなり冷めた表情をしました。あれほど旅行を楽しみにしていたのに、なぜそんなに萎えてしまったのか?を尋ねたところ、パートナー曰く周りから病人に観られるのが嫌だからと答えました。この回答を聞いて、パートナーがパートナー自身で自分を病人と決めつけていることが否めませんが、結局自分が自分のことを決めつけたり、相手に自分がどんな人間かを決めつけられると、それだけ自分自身のエネルギーやモチベーションが奪われてしまうということを実感した出来事でした。
このパートナーの事例は、パートナーが周りの人から病人として決めつけられるのが嫌だという思いと、病人であるパートナー自身が自身を病人と認めるのが嫌だという両方があります。
これだけ、決めつけたり決めつけられたりすると嫌な思いをするのが分かっているのに、人はどうしてこんなにも自分や相手に決めつけてしまうのか、または決めつけたがってしまうのか?
私が考察した限りでは以下のようなことかなと思います。
- 決めつけられると、自分の可能性を否定されるようで嫌だ。
- かといって自分を決めつけないと「自分が何者か」を説明ができないし、何を基準に行動していいのか分からない。自分を決めつけることで安心したい。
- 相手が自分を決めつけたがるのは、決めつけをすることである意味の安心感を得たい。「この人はこんな人のはず」と決めつけないと、逆に不安になり、恐怖すら感じる。
- 決めつけられた側からすると、それがある程度共感できれば受け入れられるけど、自分のイメージと違っていれば反発心が起こる。それが諍いや争い、戦争の元になることすらある。
- 結局のところ「自分は何者なのか?」「自分はどこから来てどこに向かっていくのか?」「人間とは何なのか?」という問いに対する答えが出ないので、自分勝手に決めつけて生きていくしかない。
決めつけという行為は自分を安心させるように錯覚しますが、実は自分だけでなく相手の可能性を奪う行為だと感じます。一旦決めつけるとそれ以上考えなくてよいので一見すると楽なのですよね。でも、いろんなことを決めつけてしまい固定してしまうと、頑固になったり、狭い視野になってしまったりするというリスクがあることに気付く必要があると感じます。
私は、本当の自分は相手からだけでなく自分からも本当は決めつけることができない存在だけど、それをあえて自分は「こういう人間だ」と決めつけて生きているというイメージを最近持っています。「存在」は世間一般で言う存在ではなく、もっと広い意味でのものを指すのですが、これ以上話をすると、かなり哲学的になり難しくなるので、ここで止めておきます(笑)。が、このような考えでいると、自分が「こういう人間だ」という決めつけはあくまで自分がいろんな環境状況の中でそう決めているだけであって、それで居心地が悪くなったり、気分が悪くなったりすればその決めつけを手放せばよいという感覚になります。これでかなり自分が楽しく生きられるようになりますね。
パートナーが気分を取り直して、旅行に行く気になってくれることを願うばかりです( ´艸`)。
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