先日、20数年ぶりに仕事で北海道にでかける機会を得た。
朝早く、日課のランニングでホテル近くの北海道大学構内を廻ると、ひっそりと佇むクラーク博士の胸像に出会った。
台に彫られた “boys, be ambitious” は、同大の前身、札幌農学校の教頭として招聘された博士が同地を去る前に学生たちに残した言葉として有名。
実は、これに続く言葉があるという。その一説が、以下の文章である。
“Boys, be ambitious! Be ambitious not for money or for selfish aggrandizement, not for that evanescent thing which men call fame. Be ambitious for the attainment of all that a man ought to be.”
“青年よ大志をもて。それは金銭や我欲のためにではなく、また人呼んで名声という空しいもののためであってはならない。人間として当然そなえていなければならぬあらゆることを成しとげるために大志をもて(【引用】北海道大学附属図書館)。
なるほど、紳士教育を日本で初めて導入した教育者らしい言葉だと感銘を受ける。
しかし、実はもう一つの説とされるのが、表題の言葉である。
「あなたたち若い人も野心的であれ!・・・この老いた私のように」
今年還暦を迎えた私には、まさに天啓として響いた。
当時、クラーク博士は50歳(当時としては高齢)。しかし、自身もまだ学生たちとともに学び成長する気概にあふれていたのではないか・・・。
私の人生も未だ道の途中。
選択理論と出会い、新たな自身のあり方、生き方を学び始めて3年超。この更生プログラムに参加しながら日々歩み続けている。
いったんこじれてしまった妻との関係は、簡単には回復しない。進展しては、逆戻りする。
正直先の見えない不安と恐れに囚われそうになっていた。
しかし、学びの足跡は目の前にたしかに積まれていた。
私自身が少しずつ変わっていくことで、ゆっくりと、よい関係に向けて進んでいると感じる。
「Old man, be ambitious!」 (北海道大学札幌キャンパスにて)
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