紫陽花の咲く季節に考えること

6月に入り、そこかしこで美しい紫陽花が咲き始めました。青、白、ピンクと色とりどりの花が、公園や家の花壇、道端を彩る様子は、梅雨の時期の楽しみの一つです。

 紫陽花の花の色を決めるのは、紫陽花が植えられている土壌のpH、酸性度によって変わるそうです。そのため、肥料などをつかって土壌を酸性に、あるいはアルカリ性にといった具合に調整することで好みの色の花を咲かせることもできるようです。

 紫陽花にしてみれば、咲きたい色があったとしても自分の力では土壌の酸性度を変えることなどできないわけで、「青色に咲かされた」「ピンク色に咲かされた」ととらえることができるかもしれません。

 

 同じように人間もまた、与えられた環境によって本人の意志に依らず育ち方を選ばされてきた、というようなことがあるかもしれません。しかし、紫陽花と違うのは人間は育った土壌にずっと根を張ることなく、自分から新たな土壌を選んだり、あるいは「肥料」を選んで取り込むことができることだと思うのです。

 

 グループで学ぶことは私にとって、まさに新たな肥料を取り込むことになったと感じています。今までの土壌、つまり価値観に縛られることなく、新たな価値観に基づく言動が選べるようになったと感じています。

 紫陽花の花の色が変わるように変化が目に見えるわけではありませんから、本当に変わったかどうかは常に自分に問い続ける必要がありますし、また元の土壌に戻っていないかということも確認していかなければなりません。

 

 今年は雨の中に咲く紫陽花よりも、陽の光の中に鮮やかな色を見せてくれる紫陽花がもう少し楽しめそうです。四季が移り変わっていく中で、咲かせる花の色は自分で選べるということを忘れずに、自分の変化を見つめ続けていきたいと思います。

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