
パートナーと息子との別居から1年、結婚して5年が経ちました。2回の離婚調停を経て、現在は月に数回パートナーと息子に会うことができています。
別居した当時のことを振り返ると、何をどうすればいいかわからない日々が続いていました。精神科に通ったり、カウンセリングを受けたり、暴力に関するセミナーを受講したりしていました。何が暴力でDVとは何かを理解することもなく、ただ1人でもがいていたように感じています。そんな中、「たんとすまいる」の書籍を通して、加害更生のプログラムがあることを知りました。
説明会に参加し、これまでの自分の暴力に対する認識が誤っていたこと気付かされ、同時に自分自身を変えたいという気持ちや意思が強くなったことを覚えています。説明会の中で、印象的だった言葉が3つあります。
①自らのDV行動を認めその責任を果たす
②DV行動ではない他の行動を選択できるようになる
③どんな人に対しても対等・平等で尊重し合える関係を築く
自分のことを正当化し他責につなげたり、相手を否定し傷つけていた自分にとって、とても重くのしかかる言葉たちでした。
その後の事前相談の時間では、現実はまだ受け止められないことを伝えたうえで、家族関係の修復について考えてもよいものかを質問しました。関係の修復を目指すことは間違いではなく、その思いを持つことは大切だが、それを1番に考えてしまうと自分自身は変わることはできないと伝えていただきました。私は、入り口の段階でもう一度考え方を改めることができました。自分が望んでいた「元の通り」や「以前のように」という言葉は相手にとっては決してそうではない。そして、自分にとっても離婚は人生の最大の決断であるように、パートナーにとってもその決断は同じように尊重されるものと理解することができました。グループを通して、相手の立場に立つということを単に考えるのでなく、相手に対する「尊重・共感」を伴うことについて少しずつ触れ、どんな人も生まれながらにして「対等・平等」であることを自分自身が身近に感じていくことも増えていきました。
グループでの学びや取り組みも1年が経とうとしていますが、プログラム参加時以外も自分と向き合う時間が増えたり、自分の見えていないところで誰かの支えがある幸せを想像することがあります。これからもいろんな人といろんな場面で気持ちのやりとりをすることがあると思いますが、そのとき相手がどんな考えで何を伝えたいのか、取ろうとしている行動がどんな影響を与えるのかなど、豊かな想像力を持ち合わせて向き合っていきたいと思います。決して表面だけで考えずに、自分の中で一度受け止めることから、共感を伴ったものを選択していきたいと感じています。
写真は先日お店で見かけ購入したトトロの帽子です。息子は出かけるときも寝るときもトトロの人形を肌身離さず持っていて、なんでだろうと思ううちに自然と自分へも興味を持つきっかけを与えてくれました。穏やかな気持ちになることができて、とても気に入っています。
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