時間が解決してくれる。

初めましての方は初めまして。お久しぶりの方はご無沙汰しております。これまで何度かブログを書かせてもらっていますが、いつも「何をお伝えしようかな」と悩みます。今回は、最近ちょっと実践していることをシェアしたいと思います。

 

 昔から自分の辛さや悩みを人に話すと、そんなアドバイスをよくもらっていました。それを言われるたびに、あるいはドラマなどで耳にするたびに、「いやいや、時間は何も解決してくれないだろう」と思っていました。私は、「時間が解決してくれる。」という言葉を全く信じていませんでしたし、なんなら「それは今の辛さに向き合えない詭弁だ!」とさえ思っていました。自分がしてしまったことは変えられないし、その結果も変わらない。そして、その物事の解決を時間に任せてしまうのは、ただ現実と向き合わずに問題を先送りにしているだけなのではないか、と考えていたのです。なので、自分自身に対する向き合い方も、「辛さから目をそらしちゃだめだ」、「辛さを先送りにしてはだめだ」と無理をしていたと思います。

 もちろん、私は暴力を手放して自分を変えるために学んでいる以上、「自分の辛さとは関係なく、向き合わなければならないこと」があるのは事実です。そこから目をそわすわけにはいきません。でも最近は、これまで自分と一緒に歩いてきた「時間」にも、少し頼ってみてもいいのかな、とも思えるようになりました。

 

 私は数年前から日記アプリを使っていて、気が向いたときに書いています。本当は毎日かけるといいなと思うのですが、うまくはいってません。それでも、三日坊主を繰り返しながら細々と続けてきました。そのアプリはちょっとした特徴があります。それは、書くときに、過去の同じ日付の記録が表示されるんです。つまり、去年の今日、2年前の今日―、といった日記を読みながら書くことができるのです。

 私はたんとの学びのおかげで縁に恵まれ、数年前に二度目の結婚をしました。そこから自分の生活ががらりと変わりました。先日、日記を書こうとアプリを開いた時に、ふと2年前の同じ日付の日記が目に入りました。そこにあったのは、今のパートナーさんとの生活の中での悩みが書いてありました。内容を端的に言うと、『パートナーに言われたことを、自分は辛く悲しく感じてしまった』という事でした。その当時は、本気で悩んでいました。自分が感じた悲しさとの向き合い方や、暴力的な選択肢を選ばず良い関係を築いていくにはどうするか、をずっと考えていました。だけれども、自分の中では明確な解決方法が見いだせず、とりあえず自分の気持ちを外に出そうと思って書いた日記でした。その内容を見た2年後の私は、当時の事や自分の悩みを思い出し、ふと笑ってしまいました。それは、悩んでいた『パートナーに言われたこと』は、今の自分なら「そうだよね。たしかに!」と笑えるくらいの内容だったのです。それをパートナーに言われたことで悩むこともないし、その発言後もパートナーさんと自然体で会話ができるな、と思いました。

 

 これがまさに、時間が解決してくれた瞬間でした。起こった現実は変わらなくても、自分の受け止め方や考え方、パートナーとの関係性は、時間とともに変化します。その変化の中で、自分の悩みは解決されていました。

 

 そこから「時間を味方につける」工夫としてやっているのが「下書き保存」です。皆さんは、メールを書く時に一度書いて下書きに保存することってありますよね。私は、この下書き保存をメールだけでなく、人との関わり方にも使うようにしました。

 

 私は、自他ともに認めるお節介で、仕事でもすぐに同僚や部下の行動が気になると、それを伝えたくなってします。特に部下が相手になると、粗探しをして細かい内容まで指摘したくなってしまうことがあります。そんな時に活用するのが「下書き保存」です。そういった気持ちが出て話しかけたくなる時に、伝える内容をいったんメモに書き出します。そして、これを「今日の終わりくらいに伝えよう」と思いながら、置いておく。そうすると、結局このメモに書いた内容を伝えることなく一日が終わります。時間が経つと「別にこの内容をわざわざ伝えなくていいかも」と考えが変わり、結局伝えるのを辞めてしまったからでした。

 たんとの学びの中で気が付いた事ですが、私が相手の言葉や行動に瞬間的に反応してしまう時は、モラハラや暴力的な選択肢をとってしまう事が多くなります。そこで自分が我慢することで、その瞬間的な反応は辞められるようにはなりましたが、別の問題もありました。それは、言わなかった言葉が自分の中で渦巻き、消化出来ずにどんどん自分へのストレスを溜め込んでしまうことになってしまうということでした。そこで、私は「瞬間的に言いたいと思ったことをメモに書く」ということにしました。自分の中に浮かんだ言葉を、一旦外に出したおかげで、自分の中に溜め込むこともしなくて済むようになったのです。

 

 もし相手に対して瞬間的にネガティブな言葉を言いたくなった時、ぜひ一回下書き保存してみてください。そして、数時間置いてから見直してみて下さい。未来の自分は、その言葉に対して、もっと優しく客観的にみられるようになるかもしれません。

 

P.S.今年撮影したお気に入りの一枚です。満開の桜から、半月がのぞく。夕方のお花見のひと時でした。

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